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教えて!相続先生『相続税と贈与税はどちらで払った方が有利なのでしょうか』

2020/05/03 [SUN]

1 相続税と贈与税の関係

 相続税は、ある人が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える財産を遺して亡くなった場合に、その財産を相続又は遺贈により取得した相続人等に課税される税金です。

 

 被相続人が生前に、配偶者や子供などに財産を贈与すれば、その分相続財産が減少するので、相続税がかからなくなったり又はかかっても少ない税負担で済むことになり、生前に贈与した場合とそうでない場合とでは税負担に著しい不公平が生じることになります。

 そこで、税負担の公平を図るために、個人から生前贈与により財産を取得した者に対して贈与税を課税することとしたものです。

 

 贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。

 暦年課税は、1年間に贈与を受けた財産の合計額から贈与税の基礎控除額(110万円)を控除した残額に課税する方法です。

 

 相続時精算課税は、贈与を受けたときに、特別控除額(2,500万円)及び一定の税率(20%)で贈与税を計算し、贈与者が亡くなったときに、その贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税額を計算し、既に支払った贈与税額を控除する方法です。

 なお、一度「相続時精算課税」を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」へ変更することはできません。

 

2 相続税と贈与税はどちらで払った方が有利か

(1) 贈与税の暦年課税を選択する場合

   イ 相続財産〈 相続税の基礎控除額 の場合

 この場合、相続税はかからないので、毎年の贈与額を基礎控除額(110万円)以下とするか、贈与税はかかっても基礎控除額を超えるかを検討することとなります。

 

 ロ 相続財産 〉相続税の基礎控除額 の場合

 この場合、相続税がかかりますので、相続税額及び贈与税額をそれぞれ試算し全体として税負担の少ない方法を検討することとなります。

 

(2) 贈与税の相続時精算課税を選択する場合

 イ 贈与財産+相続財産〈 相続税の基礎控除額 の場合

 この場合、相続税はかからないので、贈与額を精算課税の特別控除額(2,500万)以下とするか、贈与税はかかっても特別控除額を超えるかを検討することとなります。

 

 ロ 贈与財産+相続財産 〉相続税の基礎控除額 の場合

 この場合、相続税がかかりますので、相続税額及び贈与税額をそれぞれ試算し全体として税負担の少ない方法を検討することとなります。

 

  (3) まとめ

 財産価額による検討は以上のとおりですが、これ以外に税率(相続税、贈与税ともに10%~55%)、相続税・贈与税の各種特例も考慮してどちらが有利になるか検討する必要があります。

 

広島総合税理士法人