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広島税理士のひとりごと『悠かなるマイナポイント』

2020/10/20 [TUE]

 

皆さん、このウサギをご存知でしょうか。

はい、マイナンバーPRキャラクター「マイナちゃん」です。
 
このマイナちゃん、チャーミングではありますが、
なかなか一筋縄ではいきません。
そうです、マイナポイントの話です。
 
以下、個人の独断と個人的な理解と体験に基づく私見かつ長文なので、
興味がない方等はこの辺りで下のリンクをクリックするなどして、
マイナポイントを無事もらってください。
 
 
 
まずマイナポイントとは、
マイナンバーカードを使って予約・申込を行い、
選んだキャッシュレス決済サービスでチャージやお買い物をすると、
そのサービスで、ご利用金額の25%分のポイントがもらえるという、仕組みのことらしいです。
大きな意味では、この仕組みを使って得られる、各決済サービスごとのポイントも指している場合もありそうです。
 
マイナポイント自体は仕組みですので、
マイナポイントというポイントが現実にあるわけではなく、
選択した決済サービスのポイントが上限5,000円相当もらえるという制度になっています。
 
そんな制度をサラっと聞いているだけだと、
「マイナンバーカード作って、クレジットカードか何かで決済すれば、
一人あたま5,000円分もらえるわけね。家族分あわせたら・・・濡れ手に粟じゃないかぁ!」
と思っていたのですが、
そうは問屋が卸しません。
いろんな刺客が襲ってきます。
 
 
★第一の刺客:マイナンバーカードの申請★
下記のとおり、いろいろ作成方法があるようですが、
・スマートフォンからの申請
・パソコンによる申請
・まちなかの証明写真機からの申請
・郵便による申請
私は、ネットからの作成を選択しました。
 
まず申請サイトにアクセスし。
メールアドレス、氏名、申請書ID(通知カードに記載の番号)を登録すると、
登録アドレス宛にメールが送られてきて、
事前に撮影していた写真を登録し、その他の情報を入力すると、
ひとまずマイナンバーカードの申請は完了です。
 
ただこの写真がまた曲者で、
家族全員分の写真が必要なのに加えて、
顔がずれていたらダメ、横向いてもダメ、メガネや頭髪で目元が隠れてもダメ、
背景もダメ、ピンぼけもダメ、影があってもダメ・・・。
 
家の中で背景がほぼ白い箇所を探すなどして、
なんとか苦心の末、撮影は出来ましたが、
家族からは「腕が悪い」「タイミングが下手」など様々文句はつけられるし、一苦労でした。
 
 
★第二の刺客:マイナンバーカードの入手★
申請からはや1か月くらいが過ぎ、
もはやマイナンバーの存在すら忘れかけたころ、
やってきましたよ、マイナちゃん。
かわいいやつです。
マイナンバーカードの交付通知書が広島市から到着しました。
中を見てみると、まず目に飛び込んできたのが、
“カードを取りに来る前に、パスワードを決めておけ、しかも4つ”ということです。
 
4つ!?そう4つ。
①署名用電子証明書暗証番号
②利用者証明用電子証明書暗証番号
③住民基本台帳暗証番号
④券面事項入力補助用暗証番号
漢字ばかりで気が滅入ります。
 
ただ②~④は一緒でもいいそうなので、
実際には最低2つなのですが、まずジャブをいただきました。
 
そしてその上を見てみると、
“本人確認書類を持って、市役所(区役所)が空いてるときに、本人が取りに来なさい”とのこと。
 
え、本人確認書類?子供の分はどうするのさ。
市役所開庁日に本人出頭?平日に会社や学校休んで来いってことなの?
もうパニックです。
 
こちらも実際は、本人確認書類は大人はだいたい車の免許証でなんとかなり、
子どもの分は何がヒットするかわからないので、学校の書類(電話連絡網まで)をかき集めて束にして持っていきました。
市役所開庁日は月に1回程、日曜日の午前中に開けてくれているようです。
このあたりはボディブローのように効いてきます。
 
更なるハードルは市役所(区役所)です。
暗証番号を揃え、
本人確認書類を山のように抱え、
ワーワー文句を言う家族を従えながらも、
辿り着いたは広島市役所(区役所)。
 
さてカードもらって、さっさと帰ろうと思いながらカウンターにつくと、
電光掲示板に映し出された待機人数は30人超!
そこそこ早い時間に行ったのに、30人超の待ち?うそでしょ。
 
でも今日しかない。
今日より他に時間がない。
そもそもテンションが続かない。
 
待てど暮らせど、電光掲示板の数は減らない。
数は減らないどころか、どんどん増える。
当然、子供たちは騒ぎ始める。
私は頭をかかえる。
会議は踊る、されど進まず。
 
2時間以上経っただろうか、我々の番号が呼び出され、
事前準備のおかげか、手続開始から30分と経たずに、
無事にマイナンバーカードを入手することができたが、
子供たちに相応のランチをねだられたのは言うまでもない。
最後のアッパーカットがコスト的に一番痛かったかもしれない。
 
 
★第三の刺客:「マイ」の呪縛★
マイナンバーカードを手に入れたころには、
当初の「マイナポイントをもらって、ウハウハだぜ」という思いはきれいサッパリなくなっていて、
どちらかというと、あまりもう関わりあいになりたくない案件になっており、
この時点で既に最初のマイナンバーカードの申請から2か月は過ぎていました。
 
さりとて初期の志?を奮い立たせて、
マイナポイントの入手に向けて、歩を進めることにしました。
 
ここから先は全くの未知の世界なので、
困ったときのGoogle先生。
そうすると出てくるわけですよ、この人。
そう、マイナちゃん。
もう目が怖い。
この先に何が待っていることやら。
 
進まずんばあらず。
意を決してマイナポイントのサイトに行き、
その入手方法を見ていくと、
マイナポイントの予約・申込には
  • スマホの場合、マイナポイントアプリのインストール
  • パソコンの場合、マイキーID作成・登録準備ソフトのインストール が必要とのこと。
 
マイナポイントアプリ?マイキーID?
なんだそれ。
 
さらに読み進めていくと、
  • マイナポイントの予約・申込状況はマイページで確認可能
  • マイナポイントアプリを起動し、マイナポイントの予約(マイキーIDの発行)を完了させる とある。
 
マイナポイントの予約=マイキーIDの発行・・・なの?
マイページってどこに行ったら見れるの?
 
挫けず読み進めていくと、
  • マイナポイントの申込をせずに、マイナポイントの予約(マイキーIDの発行)のみで完了する場合は
    マイキープラットフォームへ をタッチしてトップ画面に戻ってください
  • マイナポイントをもらう決済サービスを選択・確認する
  • マイナンバーカードにスマホを乗せ、暗証番号を入力し、ICチップを読み取る
  • 誤って画面を閉じてしまった場合はマイナポータルから登録可能です との記載が。
 
マイキーIDだけでもおなか一杯なのに、
マイキープラットフォーム?は?
マイナポータル?なんでしたっけ?
もう無理です。
「マイ」が脳ミソから溢れ返ってます。
 
それでも最後までしぶとく喰らい付くと、
FAQに子供のマイナポイントの取得方法についての記述あり。
  • 未成年者のマイナポイントについては、法定代理人名義のキャッシュレス決済サービスを使用せよ
  • ただし、同一のキャッシュレス決済サービスに複数人のマイナポイントを合算登録は不可
  • それぞれ異なる法定代理人のキャッシュレスサービスを用意すべし
 
えぇぇ、マジっすか?
親のクレジットカード一つじゃダメなの?
マイナポイントのために、なんたらPayを何個も登録するの?
大家族のビッ○ダディは、サザ○さんちは、天までとど○のご一家はどうすんのさー!!
 
・・・・・・とストレスが頂点に達したので、
自分のマイナポイントの設定だけしておいて、
残りの家族分は気が向いたときにしようと思います。
取り敢えず、燃え尽きたよ、まっ白な灰ですわぁ。
 
 
★結びにかえて★
こうして第三の刺客に見事やられたわけですが、
ひとつ感想などを。
 
個人が自身の分だけをやるのであれば、
まだ我慢できるかもしれない。
キャッシュレス決済サービスも一つくらいは利用しているだろうし。
 
ただ家族分を含めてだとか、ネットに慣れない高齢者だとかとなると、
マイナポイント5,000円分のメリットを悠かに凌駕するコストと縛り、
時間的な制約、決済サービスの取捨選択、そもそもの制度設計など、
超えるべき山が多すぎてゴールが見えなくなるだろう。
 
市役所にマイナンバーを取りに来ていた高齢者もたくさんいた。
我々以外の家族連れもそこそこにいた。
彼らは最後のゴールまで無事に辿り着き、マイナポイントをGetできたのだろうか。
 
経済対策としてそれなりの予算規模を持っているのだろうし、
キャッシュレスの進展などの政策目標もあるのだろうけど、
果たして全てを充足することができるのだろうか、マイナポイント。
 
マイナちゃん、君は悪くない、
私の忍耐と理解力と柔軟性が悪いのだ、多分。
 
 
 
広島総合税理士法人