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教えて!相続先生『住所を香港やシンガポールに移転したら相続税はかからなくなるのですか?』

2021/01/10 [SUN]
近年海外に移住する人が増えてきているようです。
 
過去には武富士の創業家が行った海外の資産の移転に関して、
厳しい態度で臨み、結果的に相続税法の改正もおこなわれました。
 
その後においても、海外の移住や財産移転を伴った課税回避が多くみられたせいか、
平成29年、30年においても要件が厳しいものとなりました。
 
 
・「税法でいう住所とはそもそも何なんですか?」
われわれが想定する住民票のある場所とは、少し違います。
生活の本拠をいい、それは客観的な事実によって判定することになります。
これは、住所は2カ所以上存在しないことが前提となっています。
はたしてそんなことが法的に断定できるのでしょうか?疑問に思いますが、、、
 
 
・「株式のその売買益や株式の贈与などの利益(いわゆるキャピタルゲイン)が課税されない国ってあるんですか?」
アジアでいうと、シンガポール、香港、マレーシアがあり、EUではスイスなどがあります。
どちらかというと小国で軍事力をもたず、投資を呼び込むことで、軍事的なプレゼンスを取ろうとしている国ですね。
 
・「海外に移住すると日本の贈与税、相続税がかからなくなるのですか?」
そんなことはありません。
平成25年、29年、30年の改正を経てどんどん厳しくなっています。
下記の図は、国税庁のHPから抜粋したものです。
 
【贈与税の納税義務者の表】
image.gif
 ※相続税の場合は、贈与者を被相続人に,受贈者を相続人に読み替えても、ほぼ差し支えないです。
 
・「非常にわかりにくい表ですが、この表のポイントは何ですか?」
確かにわかりにくい表ですね。
この表は以前から専門家の間でよく使われた表ですが、この10年間で非常に複雑になりました。
横欄が「受贈者(例:子供)」です。縦欄が「贈与者(例:親)」です。
ポイントは、財産を渡すほうも、もらうほうも、「10年を超えて(日本国に)住所がない」場合に
「国外財産について」日本の相続税が課されないことになりました。
改正により、「5年しばり」から「10年しばり」に変更されました。
上記の表でいうと右下の白い部分になります。
 
・「税金逃れのために日本から移住して10年間も住み続ける人がいるんですか?」
現在はグローバル化がすすみ世界が小さくなってきています。
中小企業のオーナーでも,昨今では日本の企業を海外からマネジメントしているかたもいらっしゃいます。
今後は、税金のために国籍を移してしまうケースもでてくるかもしれませんね(表の右下の白い部分)
 
 
【相続税の納税義務者の表】について
 
■の区分に該当する受贈者が贈与により取得した財産については、国内財産及び国外財産にかかわらず全て課税対象になります (ただし、上記の表の※1の区分に該当する受贈者が一定の場合に該当する場合(注3)は、国内財産のみが課税対象となります。)。
□ の区分に該当する受贈者が贈与により取得した財産については、国内財産のみが課税対象になります。
  1. 注1 「一時居住者」とは、贈与の時において在留資格(出入国管理及び難民認定法別表第1の上欄の在留資格をいいます。)を有する人で、その贈与前15年以内に日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下である人をいいます。
  2. 注2 「一定の外国人」とは、贈与の時において日本国内に住所を有していなかった贈与者であって、その贈与前10年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがある人のうち次に掲げる人をいいます。
    1. (1) 日本国内に住所を有しなくなった日前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下である人(その期間引き続き日本国籍を有していなかった人に限ります。)
    2. (2) 日本国内に住所を有しなくなった日前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年を超える人(その期間引き続き日本国籍を有していなかった人に限ります。)のうち同日から2年を経過している人
  3. 注3 上記の表の※1の区分に該当する受贈者が次に掲げる場合に該当する場合には、国内財産のみが課税対象になります。
    1. (1) 短期非居住贈与者から贈与により財産を取得した場合において、その短期非居住贈与者が再び日本国内に住所を有することなく、その短期非居住贈与者が日本国内に住所を有しなくなった日から2年を経過したとき
      (※)「短期非居住贈与者」とは、贈与の時において日本国内に住所を有していなかった贈与者であって、その贈与前10年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがある人のうち日本国内に住所を有しなくなった日前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年を超える人(その期間引き続き日本国籍を有していなかった人に限ります。)で、同日から2年を経過していない人をいいます。
    2. (2) 平成29年4月1日から令和4年3月31日までの間に非居住外国人(平成29年4月1日から贈与の時まで引き続き日本国内に住所を有しない人であって日本国籍を有しない人をいいます。)から贈与により財産を取得した場合
  4. 注4 上記の表の※2の区分については、贈与者が「国外転出時課税の納税猶予の特例」の適用を受けていた場合は、その贈与者が贈与前10年を超えて日本国内に住所を有したことがなかったとしても、これに含まれる場合があります。

 

広島総合税理士法人